There's a Boy in the Girl's Bathroom
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There's A Boy in the Girls' Bathroom
- 作者: Louis Sachar
- 出版社/メーカー: Yearling
- 発売日: 1988/08/12
- メディア: ペーパーバック
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まで読み返したいです。本当に子ども向けの本なのかしら?人物の心情がおしか
ぶせるような勢いで迫って来て、ユーモアと切なさに心を大きく動かされます。
以下、ネタバレ大丈夫かな…?
Bladlyはみんなの嫌われ者。乱暴でひねくれていて、嘘つき。否定されることや
失敗がコワくて、自ら嫌われ者役を演じてしまうBladly。臆病さを他人に悟られ
まいと他人を避け、まるで自分を守っているかのよう。独り人形と空想の世界で
遊ぶ姿からも、さびしい心の内を伺えます。
そんな彼の学校に新しく赴任してきたカウンセラーのCarla。 Bladlyにとって、
彼女と出会い、やりとりを重ねることが、とても大きな意味を持っていきます。
Carlaは常に思いやりを持って接し、彼の言動を否定したり、こうしなさいと価値観
を押し付けるでもありません。ただまっすぐに彼の話を受け止めるのです。常に、
『あなたと話をしたり、一緒に過ごすことが本当に嬉しいのよ』と言うスタンス。そ
れが嘘臭くなく、本当にBladlyのことを愛していることがぐいぐい伝わって来るん
ですよね〜。
出たら目な彼の話を信用してくれる人なんて、それまで誰もいませんでした。全
てを正面から受け止め信じてくれるCarlaに、戸惑いを隠せないBladlyがとても
見事に描写されています。行きつ戻りつしながら、Carlaとの静かな信頼関係を
築いていき、除除に自分自身のことも信じられるようになって行く経緯は、さす
が!!と思わせます♪
後半の展開では、もう身を切られるような思いで読みました。そして心にぐっ〜と
温かさがこみ上げます。次の日は目が腫れ頭まで痛くなるほどに涙が出ました。
随所に散りばめられているユーモアに笑い、そして泣き、ああ〜忙しかった(笑)。
多読を始めていなければ、こんな素晴らしい作品に出会えることもなかったのです
よね〜。
邦訳は『トイレまちがえちゃった! (世界の子どもライブラリー)』